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そこで、実はもう3年以上前になりますが、こ ういう方法をとってはどうだろうかということで、新しい傷病分類の原理を学術雑誌に出 しました。それが傷病マグニチュード按分法です。私は英語でPDM(Proportional Dis ease Magnitude)法と名前をつけたのですが、要するにレセプト1件1件をどれか1つの 病名に割り振るのはもう無理である。単一病名ならともかく、そういう発想はもうやめる べきではないかと言ったわけです。
 具体的な話で説明します。糖尿病と高血圧、この2つの病名を有するレセプトはどうす べきなのか。従来は糖尿病か高血圧のどちらか1つです。例えば高血圧に分類されたら、 高血圧の患者さんに対して血糖降下剤が投与されているということも起こり得るわけです 。そうではなしに、両方病名を持っていたら、どちらが主でどちらが副でなしに、現に両 方あるということです。それでどうするかといえば、ただ、やはりそれぞれの傷病名ごと に強さが違う。地震ではないですが、マグニチュードという言葉を使ったのは、要するに 強さがあるということです。重さと言ってもいいと思います。
 それでは、糖尿病と高血圧はどちらが重いのか。これもはっきり言って医学的に結論を 出せません。私がもとにした根拠は、演劇に例えて、要するに2人の俳優が舞台に立って いる。しかし、そこには必ず主役と脇役がいる。しかし、脇役も劇には絶対必要なわけで す。当然俳優によって、より多く出番が回ってくる人とそうでない人がいる、そういう発 想で考えたわけです。
 ここで出したのは患者調査の数字です。患者調査はありがたいことに主病名と副病名の 2つ記入させることになっており、そこから出した統計ですが、要するに、縦枠が主病名 、横枠が副病名です。ちなみに、主病も副病も両方とも糖尿病、高血圧というのは単一病 名の人です。つまり糖尿病単一というのは8万 7,700人いるらしい。高血圧単独というの は31万 1,800人いるらしいということです。逆に、主病が高血圧で副病が糖尿病の人が3 万 300人、主病が糖尿病で副病が高血圧の人が2万 9,200人いるということです。
 これをどのように見るかといえば、とにかく主でも副でもいいから、高血圧を持ってい る人はこの合計だけいるわけです。その中で高血圧は実は92.1%の割合で主役として存在 している。つまり、高血圧という俳優は92.1%くらい主役として舞台に上がってくる。糖 尿病はどうかといえば、これだけいますが、残念ながら舞台に上がるとしても主役として 登場できるのは79.4%で比率が低い。その意味で、主役になる確率から言えば糖尿病の方 が弱いというふうに見るわけです。