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今、日計表と言いましたが、本当に思ったのは、この日計表
をせめてエクセルファイルか何かで出していただければ、どんなに分析しやすくなるだろ
うかと思っています。しかし、将来的にはレセプト情報の活用がどんどん拡大することは
期待できます。
まず、1つの大きな違いは、今年の4月から高額レセプトの範囲が拡大されました。つ
まり、中央審査に回される件数が増えたわけです。これによって月々 100件ぐらい増える
そうです。99年4月より35万点以上に拡大されたということ。つまり、これには日計表を
つける必要があるということで、日単位の診療内容の調査がしやすくなるということです
。現段階ではまだ十分な結果が得られませんでしたが、将来的には電算化が進むと高額レ
セプトなどを中心に、より突っ込んだ医療評価ができるのではないかなと思います。
もう1つ、ここには書きませんでしたが、前述のPDM法等を使って集団の傷病構造が
より正確に把握できるようになると、どういう政策的な応用の可能性があるか。1つは、
保険者の財政調整に使えるのではないか。具体的に言えば、調整交付金です。現在調整交
付金はどのように配分されているかといえば、市町村ごとの所得水準、年齢構造等をなる
べく調整するために、そういった情報をもとに決められています。しかし、例えば市町村
ごとに傷病構造が違う場合、それを平準化するために調整交付金を出すことも可能性とし
て考えられると思います。
具体的に話ししましょう。皆さんに配った資料には入れていませんが、C型肝炎は地域
差が非常に大きい。一説では医原病ではないかといわれている。例えば昔、予防接種とか
注射をするときに、ディスポーザルの注射器がまだ普及していなかったころに、衛生状態
が十分保たれない状態で注射されてしまって、医原的に広がったのではないかという説が
あります。はっきり言って、C型肝炎は特定の地域に非常に多い。C型肝炎の治療には、
どうしてもインターフェロンを使ったり、その後も常に発がんの危険性があるので、注射
をしたり、あるいはエコーで常にチェックしたり、どうしても医療費がかかります。そう
いう特定の疾病が多い地域の保険者の医療費の負担は当然大きくなります。それを調整す
るのに使えるのではないか。
ちょっと話は脱線しますが、ドイツの医療保険制度も財政調整のシステム持っています
。リスク構造調整と言っています。簡単に言えば、要するに保険者間の年齢構造と所得水
準がちょうど同じになるようにそろえるような財政調整のメカニズムです。そこで、ドイ
ツで議論になったのは、特にドイツの国民健康保険に相当する地域疾病金庫というのがあ
りますが、そこの連合会が主張しているのは、傷病構造も、例えばうちの保険者にはエイ
ズの患者さんが多いという場合には、その分も財政調整の対象にしてほしいということを
彼らは主張しています。むしろ日本でそれの追い風になるような報告書出してほしいとい
うふうに逆に頼まれたりしました。
これに関しては種々議論があり、反対論もあります。なぜなら、所得水準とか年齢構造
というのは保険者の努力ではいかんともしがたい条件である。これは国が責任を持って、
すべての保険者を平等にそろえるべきであると言えますが、傷病構造とか有病率といった
ものは、ある程度病気は予防ができる。また同じ病気であったとしても、治療の内容は合
理化する可能性がある。つまり、保険者の努力によってある程度改善することができる。
もしそれまでも財政調整してしまったら「何もしなくていい。好き放題使わせておいて、
どうせ赤字になっても調整交付金で補てんされるサ」というふうになってしまう、そうな
っては保険者努力を削ぐのではないか、という反対論もあります。
ご存じのように、今の日本の国民健康保険の調整交付金というのは、あくまで所得水準
と年齢構成だけです。その調整交付金に、例えば肝炎の医療費の割合が多い地域では割り
増しの交付金を積むとか、そういうことは今のところやりたくてもできない。なぜなら、
市町村単位で客観的に例えば肝炎の治療費の割合を出すことはできないからです。今ごら
んになりましたように、主傷病選択法はかなり主観が入りますから、それをそのまま調整
交付金の交付水準にすることはできません。疾病構造まで財政調整しろとは私も一概に言
うつもりはありませんが、先ほど紹介しましたPDM法というのは、財政調整の交付金の
算定法にも使えるだけの客観性を備えていると自負しています。